毎朝のコーヒータイムが欠かせない方も多いですよね。でも、実はコーヒーの木に花が咲くこと、ご存知ですか?真っ白な小さな花が咲き、驚くほど良い香りを放ちます。

今回は、コーヒーの花の香りや匂いについて、実際の体験談も交えながら詳しくお伝えしていきます。
コーヒーの花の匂いと香りの真実|わずか2日間だけ咲く白い花の甘い芳香と、その魅力を完全ガイド
コーヒーの花はどんな香り?

コーヒーの花は白くて小さな愛らしい花。5つの花弁があり、ジャスミンのような良い香りがします。
多くのコーヒー愛好家が「ジャスミンに似た香り」と表現しますが、南国を思わせるエキゾチックな甘さと爽やかさを併せ持つ香りです。
興味深いのは、実際にコーヒー農園で花の香りを嗅いだ人が「想像の10倍くらいいい匂い」と表現している点。写真や文字だけでは絶対に伝わらない、実物の香りの強烈さと美しさがあるのでしょうね。
コーヒーの花の香りとコーヒーの香りは別物
「コーヒーの花はコーヒーの香りがするのか?」という質問をよく見かけます。答えはノー。花からはもちろん、コーヒーの実からもあの魅惑的な香りは漂ってきません。
コーヒーの香りは、焙煎し化学反応することではじめて生まれるもの。つまり、コーヒーの花の香りとコーヒー豆の香りは全く異なります。
コーヒーは生豆に熱を加えることで複雑な化学反応が起き、豆の中にいろいろな香気成分が形成されます。その種類は現在報告されているものだけでも800種類以上。

わたしが面白いと感じたのは、同じ植物から、まったく異なる2つの香りが生まれるということです。
花は受粉のため昆虫を引き寄せる甘い香りを放つ。一方、種子(豆)は焙煎という人間の手が加わって初めて芳醇な香りを生み出す。
この二段階の香りの変化って、コーヒーが自然と人間の協働によって完成される飲み物であることを物語っているようで、なんだか感慨深い気持ちになります。
コーヒーの花の開花時期と「はかない」美しさ

ブラジルの農園では開花の時期になるとコーヒーの花が一斉に開花。農園がまるで雪景色のように真っ白に染められます。
でも、その美しさを楽しめるのはたった2日間だけ。2日後には雪が溶けるように散ってしまうのです。
この「はかなさ」ゆえに、ブラジルに住んでいる人でさえ、どこかの農園で「コーヒーの花が咲いた」と聞けば、すぐに見に行くほど特別な光景だそうです。
満開のころには香りが周囲いっぱいに広がります。リラックス効果、緊張や不安をほぐす、イライラの抑制、安眠などの効能があるとされる香り。

たった2日間のために、わざわざ遠くから見に行く人の気持ちがわかる気がします。
コーヒーの花の香りを楽しむ方法

観葉植物として育てる
コーヒーの木は艶やかな緑色の葉っぱがきれい。お部屋の中で育てやすく、上手に育てることができれば、ジャスミンのような甘い香りの白い花が見られるかもしれません。
自宅でコーヒーの木を育てれば、あの幻の香りを体験できるチャンス。6月から7月にかけて、ジャスミンのような爽やかな甘い香りのする白い花が咲くとされています。
わたしの実感として、観葉植物としてのコーヒーの木は、普段は香りのない静かな存在なんですよね。でも年に一度の開花期には突然、部屋全体を甘い香りで満たす。
この「普段は地味だけど、特別な瞬間に輝く」という特性が、なんか好きなんです。まるでコーヒーという飲み物が持つ「日常と非日常の両面性」を表しているようですね。
コーヒーの花のハチミツ
コーヒー豆の生産地では、コーヒーの花の蜜からハチミツが作られています。開花日数がとても短いので生産量はあまり多くない。希少なハチミツとされる理由です。
一般的なハチミツのような琥珀色ではなく、コーヒーのような濃い赤茶色をしています。

わたし個人の意見ですが、コーヒーの花のハチミツという存在は、まさに「香りを食べる」体験と言えるのではないでしょうか。
開花期間が短いために希少価値が高く、その味わいには花の香りの記憶が凝縮されているはず。
コーヒーを飲みながらコーヒー花のハチミツを味わうというのは、究極のコーヒー体験かもしれません。いつか試してみたいものです。
探したらAmazonにも売ってました。今度買ってみようかなと思います。
香水として
スイスのフリブール出身シャルロット・ロベールさんが、定年後訪れた南米のコスタリカでコーヒーの花の香りに出会いました。
そして世界で初めてコーヒーの花の香水「カフェイン・ドリーム(Cafeine Dream)」を作り上げました。この試みは、コーヒーの花の香りの魅力を物語っています。
残念ながら、コーヒーの花の香りを再現した香水は日本のAmazonや楽天では現在取り扱いがないようです。市場に出回っているコーヒー系の香水は、主に焙煎されたコーヒー豆の香りを使用したもの。花の香りとは全く異なります。
コーヒーの花の香りを体験したい場合は、自宅でコーヒーの木を育てるのが最も現実的な方法ですね。
観葉植物としてのコーヒーの木の香り
日常的にコーヒーの木を観葉植物として育てている場合、葉や枝自体には特別な香りはありません。
ドリンクとしてのコーヒーの香ばしい香りを期待すると、がっかりするかもしれない。でも、花が咲いた時には、その驚くべき芳香を楽しむことができます。

わたしが思うに、この「待つ楽しみ」こそが、コーヒーの木を育てる醍醐味なのかもしれません。
毎日水をやり、日当たりを気にして、そして年に一度訪れる開花の瞬間を待つ。その、はかない2日間のために1年間育てる価値は、十分にあると思います。
まとめ:コーヒーの花の香りと匂い
コーヒーの花の香りは、ジャスミンに似た甘く爽やか、そしてエキゾチックな芳香。その香りは私たちが日常的に楽しむコーヒー豆の香ばしい香りとは全く異なります。
焙煎という化学反応を経て初めて、あの馴染み深い香りが生まれるのです。
開花期間がわずか2日程度という、はかなさゆえに、コーヒー生産国でも特別な光景として扱われています。
自宅でコーヒーの木を育てることで、この貴重な香りを体験するチャンスがあります。また、希少なコーヒー花のハチミツを通じて、間接的にその香りを楽しむことも可能。
コーヒーの花の香りは、まさに一期一会の体験。その、はかなく美しい香りは、私たちが毎日飲むコーヒーの起源にある自然の恵みと神秘を感じさせてくれます。
コーヒー好きなら一度は体験してみたい、特別な香りです。
コーヒーといえば焙煎された豆の香ばしい香りをイメージしますよね。でも、その原点となる花がジャスミンのような甘く爽やかな香りだなんて。正直、このギャップには驚かされました。
苦味と香ばしさの象徴であるコーヒーが、実は甘美な花から生まれているというのは、まるで人間の二面性を見ているようで面白いですよね。